教授挨拶
教授挨拶
福島県立医科大学脳神経内科学講座の金井 数明と申します。平成30年9月1日、神経内科学講座主任教授を拝命いたしました。初代の山本悌司先生、2代目の宇川義一先生についでの第3代目でした。そして神経内科学講座は、平成31年4月1日より脳神経内科学講座に生まれ変わりました。自分は脳神経内科学講座の初代主任教授になります。
自分の考える脳神経内科の姿については、「脳神経内科について」で述べておりますのでそちらをご覧ください
脳神経内科はCommon diseaseから神経難病まで、また頭の頂点から足の先までの体全体を、様々な意味で幅広い領域を担当します。また診断には「病歴」がとても重要であり、診察所見をとる以前に患者さんと十分に対話をする力が必要とされる診療科です。また薬物治療だけでは十分ではないいわゆる神経難病も多く、社会的資源の活用・在宅での療養環境の設定など患者さんに寄り添った医療の組み立てが求められることも多いため、本来的に広い視野と豊かな感受性も求められる診療科でもあります。一方で神経科学の進歩に伴い劇的な効果のある治療法が開発されることもあり、だからこそまだ治療法が十分ではない神経難病も多いことから、少しでも神経科学への貢献が求められる診療科でもあります。
福島県立医科大学脳神経内科では、幅広い領域を担当する高い診療能力と、十分に対話する力や広い視野と豊かな感受性を併せ持った臨床医を育成します。具体的には、病歴聴取を大切にし、そこに神経診察所見を加えて解剖学的診断・鑑別疾患から臨床診断へと至る思考プロセスをきちんと身につけた臨床医を育成します。また、神経難病の患者さんに一方的に病気・病状の受け入れを強いるのでなく、そういった患者さん達が病気と共に人生を歩んでいく手助けができるような、広い視野と豊かな感受性を併せ持った臨床医を育成します。また一方で、神経科学の進歩に貢献する臨床医科学者(physician-scientist)を育てていきたい、と考えています。
また福島県立医科大学脳神経内科は、医師個々人を人間として大切にし、多様性を尊重する教室を目指します。私は組織における多様性は自分と異なるものを持つものに対する開放性(⇔閉鎖性)・寛容性(⇔不寛容性)につながり、医学教育においても医療の現場においてもあるいは研究においても、必ずやプラスに働くものと確信しています。
福島県の医療に、そして日本・世界の医療に少しでも貢献できる「新しい脳神経内科医」を育てる教室を目指して、これから頑張っていきたいと思います。
略歴
平成4年 3月 京都大学 農学部 農芸化学科(現:応用生命科学科)卒業
平成11年 3月 千葉大学 医学部 卒業
平成15年 3月 千葉大学大学院 医学研究科 修了
平成19年 3月 千葉大学医学部附属病院 神経内科 助教
平成24年 4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 神経内科 助教
平成25年 5月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 神経内科 准教授
平成30年 9月 福島県立医科大学 神経内科学講座 主任教授
平成31年4月 福島県立医科大学 脳神経内科学講座 主任教授